種種の、愚作 (くさぐさのさ ぐさく)

地口など

その四 (博士と学生との会話)


Ver.2.1  (08年6月中旬掲載)

博士:通称が、伊方Bay・高井(Dr.) (いかたべーたかい)。愛媛県の伊方の入り江に生まれた。幅平均2kmほどで30kmも海に突き出しているという、島を除けば、海によって囲まれている度合いが日本一の地である。そこから米国に渡って大成した日系一世の水産学博士。

学生:芸名が、鹿板部 待香(Ms.) (かいたべたいか)。奈良県出身の女子大生タレント。本名に奈良名物の鹿を絡め、さらに正倉院御物の蘭麝待(蘭奢待)を連想して芸能プロダクションの社長が名づけたらしい。海のない県で育ったので、海へのあこがれから水産学を学んでいる。

待香の趣味は、回文作り。読むもの、すべてが頭の中で回文への連想につながり、最近、困っている。2008年4月に、隣県、滋賀県愛知郡愛荘町岩倉の「堅井の大宮の春の大祭」をおとずれた。その後、5月30日に同じ町の愛知川、八幡神社の板壁が壊されたという話を聞いて、心を痛める。そのとき頭の端では、自分の本名からの連想もあって、板壁 堅い (いたかべかたい) という回文を思いつき、自分であきれる。



学生:博士、釣りをしている人が、釣り針に何かつけています。ミミズか、ヤスデに見えます。正解ですよね。

博士:そりゃ、ゴカイじゃ。ミミズとは類縁の環形じゃが。


学生:エビ、カニの変態について教えてください、博士。卵からオギャーと出てきたばかりの幼生、ゾエアは、1回脱皮すると、2つ目の状態、メガロパになるのですね。

博士:そりゃ、5回じゃ。大体、5回。しかし、なんじゃ、卵からオギャーと出てきたばかりとは。簡単な専門用語も知らんのか。学年を下に戻す甲殻ものじゃぞ。


学生:博士、ウナギの稚魚の調査をしたことのある白鳳丸は、4階建てですよね。視界を生かし(しかいをいかし)・・・なんて。

博士:そりゃ、5階じゃ。一番下の層を入れて、6階とする考えもある。


学生:クロスワードパズルです、博士。○トウの、空欄を埋めるんです。「藤のつく、日本人によくある苗字と同音の、海の幸の豊かな観光地。苗字の同音異字の混乱のたねにもなる。」加藤と加東の「カ」ですよね。

博士:そりゃ、ゴかイじゃ。加東市は、海から遠い。五島か伊東のどちらかに決まっておる。



学生:海洋観測船での生活も楽ではありませんね。博士。陸の上がようやく晩秋なのに、海上では、みぞれが降っています。ものすごく寒いです。不愉快な。

博士:なんじゃ、冬かいな。


学生:寒いかもしれないと思って、船に乗る前に厚手のコートを探したのに、どの店にもないんです。

博士:なんじゃ、冬買いな。


学生:食べ物も粗末です、博士。麩が入っているので、すまし汁かと思ったら、ダシも入ってなければ、塩味も皆無です。

博士:なんじゃ、麩湯かいな。


学生:博士が船をお持ちだと聞いて、何とお金持ちと思っていたのですが、食料も設備もひどいボロ船ではないですか。

博士:なんじゃ・・・。富裕か、否。


学生:カリブの海賊の、生きた死人のたたりでしょうか。博士。腕(うで)が空中を浮いて、ただよっています。

博士:なんじゃ、浮遊、腕(かいな)。


学生:たたりですよ、博士。風がどんどん強くなってきました。この船なんて、実験風洞に紛れ込んだカゲロウのような・・・。

博士:なんじゃか、蜉蝣(ふゆう)海難。



学生:博士、「らんばけ」と読むわけないですよね、博士。卵の字の右側に何かがついていて、次が化けるという字。最初の字は、カゲロウの1字目にも似てますから、「かげばけ」? 不可解な。

博士:そりゃ、孵化かいな。待香(たいか)君、君の生物学初級の成績は、本当に「可」以上だったのかね。不可かいな。

学生:海上の実習に参加すると、ペーパー試験の点が悪くても、カ_イジョウになるらしくて・・・。博士、私、改心してしっかり勉強します。

博士:たいかの改心かね、信じられるのかね。君がそのレベルだと、三重の恵美君だとか、別の弟子候補も探しておかねばなるまい。ほかの、いるか、ほかの恵美氏−−。


学生:イルカのような高等動物ではなく、サメのような原始的な魚類が、海の中で最も強いというのは、不思議ですね。

博士:そりゃ、フカかいな。


学生:すまし汁に入っていて、淡いクリーム色。タンパク質に富んだ厚手のコインのような・・・。噛むと独特の噛み心地がするのは・・・。

博士:そりゃ、麩かカイじゃ。


学生:東南アジアなどでサカナを捌き、切り身などに加工し、パック詰めまでして日本に輸入するケースが増えているらしいですね。そこまでしても元が取れるから、やっているのでしょうかね。

博士:そりゃ、付加買いじゃ。


学生:「貝鍋ないか」と聞き回るのをやめ、消化に悪いといわれる、カキを除くカイ、イカ、タコを避け、消化にいいといわれる白身魚や鶏のササ身を中心にしていても、胃を壊すときには壊してしまい、「胃潰瘍 良いかい?」、消化に悪いものを少しでも減らそうと「イカ、砕くかい?」と聞かれる状況に陥ります。

ありふれたストレスごときで壊れる消化器が悪いのか、消化器を壊すほど多くの人に掛かってくる社会のストレスが悪いのか・・・。どちらですか。

博士:そりゃ、負荷か胃じゃ。



学生:タコには、カラストンビというクチバシがあるのですか。

博士:イカにもじゃ。


学生:いいエビは、グリシン、アラニンなどをバランスよく含むのですか。

博士:いーカニもじゃ。


学生:サンゴ礁に住むカクレクマノミの親子が出てくるディズニーアニメがありました。冒頭では、エイ先生が率いる学校のシーンが印象的です。博士が感情移入するのは、お仕事柄、エイ先生ですよね。

博士:エ、イかニモじゃ。


学生:ディズニー映画といえば、パイレーツ・オブ・カリビアンの第1作で、最後のほう、死のうとしても死ねない海賊たちが、海の底を歩いて、英海軍のドーントレス号に向かいます。海賊たちは、澄んだ水を通した月光に照らされて骸骨姿。海底のすべてがおぞましく輝きます。

博士:イカリもじゃ。


学生:パイレーツ・オブ・カリビアンでは、食べたリンゴやワインが、それを食べた人の体と「関わる」か否かが、生きる喜びや死と結びつけて語られます。人体と魚介類との関わりを研究する分野は、広義の農学の一部といえる水産学、海洋学、それから、生活科学の中にもありますね。

博士:医科にもじゃ。



Ver.1.1  (08年6月上旬掲載) 博士:通称が、伊方Bay・高井(Dr.) (いかたべーたかい)。愛媛県の伊方の入り江に生まれた。幅平均2kmほどで30kmも海に突き出しているという、島を除けば、海によって囲まれている度合いが日本一の地である。そこから米国に渡って大成した日系一世の水産学博士。

学生:芸名が、鹿板部 待香(Ms.) (かいたべたいか)。奈良県出身の女子大生タレント。本名に奈良名物の鹿を絡め、さらに正倉院御物の蘭麝待(蘭奢待)を連想して芸能プロダクションの社長が名づけたらしい。海のない県で育ったので、海へのあこがれから水産学を学んでいる。

待香の趣味は、回文作り。読むもの、すべてが頭の中で回文への連想につながり、最近、困っている。2008年4月に、隣県、滋賀県愛知郡愛荘町岩倉の「堅井の大宮の春の大祭」をおとずれた。その後、5月30日に同じ町の愛知川、八幡神社の板壁が壊されたという話を聞いて、心を痛める。そのとき頭の端では、自分の本名からの連想もあって、板壁 堅い (いたかべかたい) という回文を思いつき、自分であきれる。



学生:サメのような原始的な魚類が、海の中で最も強いというのは、不思議ですね。

博士:フカかい・・・。


学生:すまし汁に入っていて、淡いクリーム色。タンパク質に富んだ厚手のコインのような・・・。噛むと独特の噛み心地がするのは・・・。

博士:麩かカイ・・・。


学生:東南アジアなどでサカナを捌き、切り身などに加工し、パック詰めまでして日本に輸入するケースが増えているらしいですね。そこまでしても元が取れるから、やっているのでしょうかね。

博士:付加買い・・・。


学生:「貝鍋ないか」と聞き回るのをやめ、消化に悪いといわれる、カキを除くカイ、イカ、タコを避け、消化にいいといわれる白身魚や鶏のササ身を中心にしていても、胃を壊すときには壊してしまい、「胃潰瘍 良いかい?」、消化に悪いものを少しでも減らそうと「イカ、砕くかい?」と聞かれる状況に陥ります。

ありふれたストレスごときで壊れる消化器が悪いのか、消化器を壊すほど多くの人に掛かってくる社会のストレスが悪いのか・・・。どちらですか。

博士:負荷か胃・・・。


学生:タコには、カラストンビというクチバシがあるのですか。

博士:イカにも。


学生:いいエビは、グリシン、アラニンなどをバランスよく含むのですか。

博士:いーカニも。


学生:サンゴ礁に住むカクレクマノミの親子が出てくるディズニーアニメがありました。冒頭では、エイ先生が率いる学校のシーンが印象的です。博士が感情移入するのは、お仕事柄、エイ先生ですよね。

博士:エ、イかニモ。

学生:ディズニー映画といえば、パイレーツ・オブ・カリビアンの第1作で、最後のほう、死のうとしても死ねない海賊たちが、海の底を歩いて、英海軍のドーントレス号に向かいます。海賊たちは、澄んだ水を通した月光に照らされて骸骨姿。海底のすべてがおぞましく輝きます。

博士:イカリも。


学生:パイレーツ・オブ・カリビアンでは、食べたリンゴやワインが食べた人の体と「関わる」か否かが、生きる喜びや死と結びつけて語られます。人体と魚介類との関わりを研究する分野は、広義の農学の一部といえる水産学、海洋学、それから、生活科学の中にもありますね。

博士:医科にも。


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背景の画像は素材屋カララバから提供いただきました。

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