執筆:97年10月中旬
出版業界、DTP業界の人がオプトロムというと、古い書籍をイメージスキャンでCD-ROMに入れてしまう仕組みを思い起こすだろう。ここでいうオプトロムは、別物で、会社名である。
オプトロム(本社仙台市)は、光ディスクの中に、MPUやRAMを内蔵させることで、ハード本体、OS、データの互換性の問題を解決したディスク「インテリジェントディスク(ID)」を開発した。(日刊工業新聞97年9月29日付)。不勉強ながら、この新聞記事以外の資料を入手していないので、新聞記事からの推測が混じる。御容赦願いたい。
IDの片面には、MPU、RAM、ROM、通信用電子回路などを内蔵する。もう片方の面を、CD-ROMやDVDのような光ディスクとする。システムとして構築するには、IDの他にIDドライブとパソコン本体が要るが、記事によるかぎりでは、パソコン本体にはMPUはなく、ディスプレイだけかディスプレイとVRAMだけのようである。一方で記事には、既存のパソコンもパソコン本体として使えるとある。その際には、IDのインテリジェンスを使って、既存のパソコンの各種OSに対する互換性を保つということだろうか。
さて、IDをIDドライブに差し込むと、MPUのある側から起動される。IDドライブから読み出し指示が出され、CD-ROMあるいはDVD面のデータが読み込まれる。このデータを、IDドライブとMPU面との連携で起動されるプログラムが変換し、パソコン本体(ディスプレイ)に送り込んで表示する。
工夫すれば、かなりのことができそうなディスクである。試作機のお目見えが待ち遠しい。